研究助成
2022年度 生命科学研究助成
シングルセルオミクス解析による脊椎動物の網膜神経における全ゲノム重複後の視覚機能進化と網膜変性発症機構の解明
研究題目 | シングルセルオミクス解析による脊椎動物の網膜神経における全ゲノム重複後の視覚機能進化と網膜変性発症機構の解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 生命科学研究助成 |
所属 | 長浜バイオ大学 大学院バイオサイエンス研究科 ゲノム機能科学研究室 |
氏名 | 大森 義裕 |
キーワード | シングルセル発現解析 / 脊椎動物進化 / 全ゲノム重複 / 網膜色素変性症 / 硬骨魚類 |
研究結果概要 | わたしたち人間を含む脊椎動物の祖先は約5億年前に全遺伝子が同時に倍加する進化上まれな現象である全ゲノム重複を2回起こしたことが明らかとなっている。コイ・フナ類は、これらに加えて新しい全ゲノム重複(約1400万年前)を経験しており、全ゲノム重複直後の遺伝子進化を研究する上での良い材料として知られている。私たちはキンギョの眼球の網膜組織から約2万3千個の細胞を分離し、それぞれの細胞に発現する数万個の遺伝子発現を測定することに成功した(シングルセルRNA-seq解析とシングルセルATAC-seq解析)。全ゲノム重複によって倍加した遺伝子のうち、306ペアの遺伝子対の発現が進化し新たな発現パターンを獲得したことを明らかにした。また、全ゲノム重複後に重複した遺伝子対の発現が重複前の片方のゲノムに偏っているという「非対称サブゲノム進化」がシングルセルレベルで進行していることが明らかとなった。さらに、関連する追加の研究をすすめており、これらの発見は、現在も謎の多い全ゲノム重複という現象の全体像の解明に向けた重要な一歩となる。また、キンギョをモデルとしたヒトの網膜関連疾患の研究に繋がると期待される。 |
公表論文 | Kon T, Fukuta K, Chen Z, Kon-Nanjo K, Suzuki K, Ishikawa M, Tanaka H, Burgess SM, Noguchi H, Toyoda A, Omori Y#, Single-cell transcriptomics of the goldfish retina reveals genetic divergence in the asymmetrically evolved subgenomes after allotetraploidization. Communications Biology 2022;5: 1404 *corresponding author. 査読ありDOI:10.1038/s42003-022-04351-3 |
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