研究助成
2022年度 ライフサイエンス研究助成
光薬理学リガンドを効率的に開発するプラットフォームの確立
| 研究題目 | 光薬理学リガンドを効率的に開発するプラットフォームの確立 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2022年度 ライフサイエンス研究助成 |
| 所属 | 京都工芸繊維大学 分子化学系 |
| 氏名 | 松尾 和哉 |
| キーワード | 光薬理学 / 光スイッチ / 光操作 |
| 研究結果概要 | 光薬理学リガンドとは、タンパク質の活性を、時空間制御能に優れた「光」による外部刺激で自在にON・OFFスイッチングできる分子ツールであり、これを用いることで、標的タンパク質が関与する生命現象を任意のタイミングと規模で光操作できる。しかし、光薬理学リガンドの多くは、偶発的な獲得に依存しており、多種多様な化合物を合成し、個別に活性を評価する構造活性相関研究を経て、光薬理学リガンドを最適化する必要がある。この課題を克服するために、本研究では、DNA encoded library法を利用した新たな分子プラットフォームを確立し、効率的に光薬理学リガンドを獲得することを目指した。アゾベンゼン誘導体などの光スイッチ部位とDNA鎖を連結したライブラリー化合物を調整し、標的タンパク質に対する活性評価を行うことで、光薬理学リガンドの探索を試みた。また、複数の新規標的タンパク質に対する光薬理学リガンド候補が既に得られており、現在、これらの機能評価を行なっている。 |
| 公表論文 |
1. A chemical platform for the efficient screening of arylazopyrazole-based photoswitchable CENP-E inhibitors using mild cyclization reactions, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2024, 111, 129892-129892. 2. A photoswitchable CENP-E inhibitor with single blue-green light to control chromosome positioning in mitotic cells, RSC Medicinal Chemistry, 2024, 15, 3795-3799. 3. In-cell chemical construction of a photoswitchable CENP-E using a photochromic covalent inhibitor, Organic & Biomolecular Chemistry, 2024, 22, 4651-4655. 4. Spatiotemporal regulation of CENP-E-guided chromosomes using a fast-relaxing arylazopyrazole photoswitch, Chemical Communications, 2024, 60, 6611-6614. |