研究助成

2022年度 ライフサイエンス研究助成

針状ダイヤモンドセンサを用いたノンラベリング緑内障点眼薬のリアルタイムin vivo測定法の創出

研究題目 針状ダイヤモンドセンサを用いたノンラベリング緑内障点眼薬のリアルタイムin vivo測定法の創出
年度/助成プログラム 2022年度 ライフサイエンス研究助成
所属 慶應義塾大学 理工学部化学科 栄長研究室
氏名 緒方 元気
キーワード 導電性ダイヤモンド / 緑内障 / 薬物動態
研究結果概要 本研究では、ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)マイクロ電極を用いて、抗緑内障薬の眼内動態をリアルタイムに測定する新規手法を開発した。摘出ブタ眼を用いた研究では、電気化学的に反応性の高いチモロールマレイン酸塩(TIM)を対象に、房水中濃度の連続測定を実現し、従来法(LC-MS/MS)に比べ迅速かつ高分解能なモニタリングが可能であることを示した。さらに、生体マウスを用いた実験では、眼内に挿入したBDD電極によりブリモニジン酒石酸塩(BRM)の点眼後濃度を追跡し、薬物の前房到達と眼圧低下効果との時間差を明らかにした。本手法は、眼科薬物の動態解析に革新をもたらし、治療効果の予測や個別化治療への応用が期待される。
公表論文 1. Real-Time In Vivo Monitoring of Eye Drop Concentration Using Boron-Doped Diamond Microelectrodes and Its Relevance to Drug Efficacy. ACS Sens. 2025 Apr 7. doi: 10.1021/acssensors.5c00220.
2. Real-Time Measurement of Antiglaucoma Drugs in Porcine Eyes Using Boron-Doped Diamond Microelectrodes. ACS Sensors, 9(2):781-788, 2024.
3. Designing Molecularly Imprinted Polymer-Modified Boron-Doped Diamond Electrodes for Highly Selective Electrochemical Drug Sensors. ACS Sensors, 9(3):1611-1619, 2024.
4. Electrochemical Diagnosis of Urinary Tract Infection Using Boron-Doped Diamond Electrodes. ACS Sensors, 4;8(11):4245-4252, 2023.