研究助成
2022年度 ライフサイエンス研究助成
細胞間接着装置による創傷治癒応答の空間スケールの制御機構の解明
研究題目 | 細胞間接着装置による創傷治癒応答の空間スケールの制御機構の解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 ライフサイエンス研究助成 |
所属 | 自然科学研究機構・生理学研究所 細胞構造研究部門 |
氏名 | 大谷 哲久 |
キーワード | 細胞間接着装置 / 密着結合 / ZO-1 / 創傷治癒 / ERK |
研究結果概要 | 上皮組織は外環境と内部環境を隔てるバリアとして働く。外傷によって上皮組織が損傷を受けると、傷の近傍の上皮組織では局所的に細胞増殖・細胞運動が活発になり、組織は修復される(創傷治癒)。本研究では、上皮組織の創傷治癒応答における細胞間接着装置の役割に注目した。その結果、密着結合の構成因子を欠損した細胞では、通常は傷の近傍にのみ限局する細胞増殖と細胞運動が広い範囲にわたって認められること、このうち細胞増殖の活性化にMMP-EGF-EGFR-MEK-ERK経路が関わることを見出した。また、密着結合は傷に応答したERKの活性伝播に関与するが、一方でERKは密着結合の裏打ちタンパク質ZO-1の局在を制御することを見出し、ERKと密着結合の間の新たなフィードバックの存在が明らかとなった。さらに、密着結合の構成因子を欠損した細胞では細胞分裂が起こる際に細胞間接着構造が崩壊する事を見出し、これが細胞間接着構造が力学的ストレスに脆弱になることによるものであることを明らかにした。 |
公表論文 |
Tight junction membrane proteins regulate the mechanical resistance of the apical junctional complex Journal of Cell Biology 223(5), e202307104 (2024) doi: 10.1083/jcb.202307104 Thanh Phuong Nguyen, Tetsuhisa Otani*, Motosuke Tsutsumi, Noriyuki Kinoshita, Sachiko Fujiwara, Tomomi Nemoto, Toshihiko Fujimori, Mikio Furuse* ZO-1 shuttles between tight junctions and podosomes by riding ERK activation waves during collective cell migration bioRxiv, 2024.08.09.607278 (2024) doi: 10.1101/2024.08.09.607278 Sayuki Hirano, Yohei Kondo, Noriyuki Kinoshita, Tetsuhisa Otani, Mikio Furuse, Naoto Ueno, Kazuhiro Aoki |
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