研究助成
2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
幼若期ストレスによる注意障害の神経メカニズム解明と治療法創出
研究題目 | 幼若期ストレスによる注意障害の神経メカニズム解明と治療法創出 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 東京大学 国際高等研究所 ニューロインテリジェンス国際研究機構 |
氏名 | 牧野 祐一 |
キーワード | 注意 / 前頭前野 / ドーパミン / 幼若期ストレス / マウス |
研究結果概要 | 本研究ではマウスを用いて、幼若期ストレスが引き起こす神経的変化と注意機能低下との関係性を調べることにより、注意障害の治療法を見出すことを目的とした。生後初期のマウスに母親の育児放棄を模倣したストレスを与えると、成長後の雄マウスにおいて視覚的注意課題の成績低下が見られた。またこれらのマウスでは、注意機能に深く関わる前頭前野の一部である前帯状皮質において、ドーパミン受容体の特定のサブタイプの発現量変化が見られた。これらのドーパミン受容体変化に拮抗する薬剤を前帯状皮質に局所注入したところ、視覚的注意課題の成績が幼若期ストレスを受けていない正常発達群のレベルまで回復した。同様の結果は薬剤の腹腔内注射(全身投与)により得られることも分かった。これらの結果は、前帯状皮質におけるドーパミン受容体変化が幼若期ストレス後の雄マウスにおいて注意障害を引き起こしていることを示し、またそれに拮抗する薬理学的操作がヒトにも適用できる注意障害の緩和法につながる可能性を示唆した。 |
公表論文 | Sleep-sensitive dopamine receptor expression in male mice underlies attention deficits after a critical period of early adversity. Science Translational Medicine, 16: eadh9763 (2024). |
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