研究助成

2022年度 医学系研究助成(臨床)

CRISPR/Cas9を用いた先天代謝異常症由来iPS細胞に対する新規治療法の開発

研究題目 CRISPR/Cas9を用いた先天代謝異常症由来iPS細胞に対する新規治療法の開発
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(臨床)
所属 東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 基盤研究施設
氏名 佐藤 洋平
キーワード CRISPR/Cas9 / ポンペ病 / グリコーゲン / 酸性アルファグルコシダーゼ
研究結果概要 ポンペ病は酸性アルファグルコシダーゼ(以下、GAA)の欠損により細胞内にグリコーゲンが蓄積することで臓器障害を呈する。酵素補充療法や遺伝子治療が行われているが、細胞内にグリコーゲンが蓄積した場合、欠損酵素を発現させても改善に乏しい可能性が指摘されている。グリコーゲン合成酵素(GYS1並びにGYS2)の遺伝子座にGAA遺伝子を挿入することで、酵素活性を改善させ、かつグリコーゲンの蓄積を改善させるような新規治療法の開発を目指した。GYS1並びにGYS2遺伝子座にノックインをするためsgRNAとAAV-6を作成した。293T細胞に導入したところ、2−3%程度の導入効率でそれぞれの遺伝子座にGAA遺伝子を導入することができた。導入されたGAA遺伝子の下流にEGFPを発現するカセットを導入し、ソーティングによりノックイン細胞を濃縮・純化することができた。患者由来線維芽細胞やiPS細胞に対して同様のアプローチでゲノム編集を行ったが、ソーティング後の生存率が悪く、ノックイン細胞を濃縮・純化することはできなかった。ゲノム編集した細胞のソーティング後の生存率を改善させるような培養条件の確立を行っている。
公表論文