研究助成
2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
虚血性白質障害におけるI 型コラーゲン形成意義の解明
研究題目 | 虚血性白質障害におけるI 型コラーゲン形成意義の解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 自治医科大学 医学部解剖学講座組織学部門 |
氏名 | 山崎 礼二 |
キーワード | 虚血性白質障害 / I型コラーゲン / 再ミエリン化 / オリゴデンドロサイト |
研究結果概要 | 本研究では、虚血性白質障害領域に沈着するI型コラーゲンに着目し、その生理的意義を明らかにすることを目的として研究を行なった。現在脳虚血後に伴う白質障害の治療法は存在しない。そこで、はじめに強力な血管収縮剤であるエンドセリン1 (ET1) を皮質脊髄路の主要経路である内包白質に注入することで白質梗塞モデルマウスを作製した。その後、白質の再生が阻害されている慢性病変に分泌されたコラーゲン線維が存在するかを調べるために電子顕微鏡観察を行ったところ、白質病変にコラーゲン線維が分泌されていることを明らかにした。そこで、次にI型コラーゲンが白質の再生を阻害するかを調べるために、リゾレシチン (LPC) にI型コラーゲンを加えて内包に注入することで、内包脱髄モデルマウスを作製した。リゾレシチンによる脱髄モデルは、通常脱髄後に自然に髄鞘の再生(再ミエリン化)が見られる。しかしながら、I型コラーゲン存在下では白質障害後の機能回復および再ミエリン化が阻害されることを明らかにした。以上の結果より、I型コラーゲンが白質再生の阻害因子であることを発見した。 |
公表論文 |
Type I collagen secreted in white matter lesions inhibits remyelination and functional recovery. Cell death & disease, 2025; 16 (1): 285. Pharmacological treatment promoting remyelination enhances motor function after internal capsule demyelination in mice. Neurochem Int 2023; 164: 105505. The potential of repurposing clemastine to promote remyelination. Front Cell Neurosci 2025, doi.org/10.3389/fncel.2025.1582902. Myosin superfamily members during myelin formation and regeneration. J Neurochem 2024, 168 (9): 2264-2274. A novel method for investigating peripheral nerve lesions in the mouse by neutral red labeling. Acta Histochem Cytochem 2024, 57 (4): 131-135. The Mouse Model of Internal Capsule Demyelination: A Novel Tool for Motor Functional Changes Causes Caused by Demyelination and for Evaluating Drugs That Promote Remyelination. Acta Histochem Cytochem 2024; 57 (1): 1-5. |
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