研究助成

2022年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))

単一細胞での遺伝子・細胞内蛋白質同時計測による急性骨髄性白血病の病態解明

研究題目 単一細胞での遺伝子・細胞内蛋白質同時計測による急性骨髄性白血病の病態解明
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
所属 慶應義塾大学 医学部血液内科
氏名 村上 紘一
キーワード シングルセル解析 / 急性骨髄性白血病
研究結果概要 急性骨髄性白血病(AML)の治療抵抗性には腫瘍内不均一性と免疫微小環境が関与する。本研究では、mRNA分解や抗体の非特異結合といった従来法の課題を解決する固定・ブロッキング条件を最適化し、ヒト検体で単一細胞レベルの遺伝子発現と細胞表面/細胞内蛋白質を同時解析する技術を確立した。解析により、白血病細胞周囲の免疫細胞でBCL2蛋白質が遺伝子発現に比して高発現し、AML細胞から免疫細胞へのミトコンドリア移行が関与する可能性を発見した。蛍光標識AML細胞と免疫細胞の共培養でミトコンドリアが接触依存的に移行し、抗がん剤で促進、膜輸送阻害薬で抑制されることを確認した。今後、モデルマウスで検証を行い、免疫微小環境を標的とする新規治療開発を目指す。
公表論文