研究助成

2022年度 医学系研究助成(基礎)

小胞体出芽部位(ERES)形成機構の解析

研究題目 小胞体出芽部位(ERES)形成機構の解析
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(基礎)
所属 秋田大学 大学院医学系研究科 情報制御学 実験治療学講座
氏名 齋藤 康太
キーワード 小胞体 / リン酸化 / 相分離 / 分泌
研究結果概要 小胞体で合成された分泌タンパク質は、小胞体上の特殊な領域である小胞体出芽部位(ERES)からER-ゴルジ中間区画(ERGIC)を経て、ゴルジ体へと運ばれたのち、細胞外へと分泌される。ERESは哺乳細胞1細胞あたり数百個存在し、栄養状態などの細胞外環境に応じて、その数・大きさ・局在が変化する。最近、この制御の破綻ががんをはじめとした様々な疾患に関与することが明らかになった。しかしERESそのものの局在規定や形成の分子メカニズムはよくわかっていない。
本助成により、研究代表者はERESにおける低分子量Gタンパク質 Sar1の活性化を可視化する系を構築した(JCB 2024) 。さらにSec13依存的にSec16の相分離を制御するキナーゼと、TANGO1複合体に結合した脱リン酸化酵素とのバランスが、ERESの形成と機能の保持に必須であることを見出した。
公表論文 1. Disease-Associated Factors at the Endoplasmic Reticulum-Golgi Interface. Traffic. Maeda M, Arakawa M, Saito K. 2025 Jan-Mar;26(1-3):e70001. doi: 10.1111/tra.70001.
2. Various methods to detect small GTPase activation: from radioisotope-based methods to the Small GTPase ActIvitY ANalysing (SAIYAN) system. J Biochem. Maeda M, Saito K. 2025 Apr 29;177(5):321-327. doi: 10.1093/jb/mvaf012.
3. Small GTPase ActIvitY ANalyzing (SAIYAN) system: A method to detect GTPase activation in living cells. J Cell Biol. Maeda M, Arakawa M, Komatsu Y, Saito K. 2024 Oct 7;223(10):e202403179. doi: 10.1083/jcb.202403179. Epub 2024 Aug 5.