研究助成
2022年度 医学系研究助成(臨床)
静脈奇形に対するシロリムス薬事承認を見据えた治療効果予測への病理検体の応用
研究題目 | 静脈奇形に対するシロリムス薬事承認を見据えた治療効果予測への病理検体の応用 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(臨床) |
所属 | 大阪大学 大学院歯学研究科口腔病理学教室 |
氏名 | 廣瀬 勝俊 |
キーワード | 血管腫 / 静脈奇形 / TEK / PIK3CA / mTOR |
研究結果概要 | 「脈管異常」は脈管奇形(先天的な形態異常)と脈管性腫瘍を含む疾患概念であり、がんの分子標的薬の臨床応用・治験が進んでいる。静脈奇形は頭頚部に好発し、有病率が1-4%と脈管異常の中で最も発生頻度が高い。出血・感染・疼痛を繰り返し、審美面や機能面など生活の質を著しく低下させる。外科的切除が困難な症例が多く、非侵襲性の根治的治療法が切望されている。本研究では、静脈奇形の発症原因であるTEK遺伝子(蛋白質TIE2)変異とPIK3CA遺伝子変異に着目し、病理検体を用いて、変異遺伝子と病態との関連性を解析した。変異遺伝子の種類により、臨床病理所見、RNA発現パターンや蛋白質発現が異なっていることを明らかとした。また、変異遺伝子の種類にかかわらず、正常血管と比較して、PIK3CA/AKT/mTOR経路が活性化していることを明らかとした。本研究成果は、静脈奇形の初の治療薬であるmTOR阻害薬シロリムスの治療根拠となることや、新たな治療薬開発へつながることが期待される。また、臨床症状や病理所見の特徴から、遺伝子検査が困難な施設においても、原因遺伝子に応じた適切な治療薬が使用できることが期待される。 |
公表論文 | Comprehensive phenotypic and genomic characterization of venous malformations. Hum Pathol. 2024;145:48-55. PMID: 38367816. |
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