研究助成

2022年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))

FGFR2活性化型スキルス胃癌の脂質代謝系に対するリン酸化制御機構の解析

研究題目 FGFR2活性化型スキルス胃癌の脂質代謝系に対するリン酸化制御機構の解析
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
所属 北里大学 医学部生化学
氏名 白木原 琢哉
キーワード スキルス胃癌 / FGFR2 / チロシンリン酸化
研究結果概要 スキルス胃癌は進行が速く予後不良な難治性癌であり、その分子機構の解明と新規治療法の開発が求められている。スキルス胃癌細胞で高頻度に活性化し、その悪性化への寄与が示唆されているFGFR2の下流標的タンパク質としてLSR(Lipolysis-stimulated lipoprotein receptor)を同定した。LSRはVLDL(超低比重リポタンパク質)の受容体であり、FGFR2活性化型のスキルス胃癌で特異的にリン酸化されることが明らかとなった。LSRのリン酸化部位はY406であり、VLDL添加により細胞増殖が促進され、FGFR阻害剤やLSRノックダウンでこの効果は抑制された。以上から、FGFR2–LSR–VLDL経路がスキルス胃癌の悪性形質に関与していることが示され、新たな治療標的となる可能性が示唆された。
公表論文 Activin A from primary breast tumors generates a pre-metastatic niche by inducing pulmonary fibrosis., Translational Breast Cancer Research. 5, 24, 2024