研究助成

2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

軸索に着目した筋萎縮性側索硬化症の運動ニューロン脆弱性にかかわる病態の探索

研究題目 軸索に着目した筋萎縮性側索硬化症の運動ニューロン脆弱性にかかわる病態の探索
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 東北大学 大学院医学系研究科神経内科学分野
氏名 光澤 志緒
キーワード 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / TARDBP / PHOX2B
研究結果概要 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は成人発症の難治性進行性の系統的運動ニューロン変性をきたす。人工多能性幹(induced pluripotent stem: iPS)細胞由来運動ニューロンの軸索分画のRNA-Seqにおいて、ALS患者由来TARDBP遺伝子変異軸索で発現が低下し、神経突起長や動物モデルの運動機能に関わるPHOX2Bに着目した。
 本研究では、PHOX2Bが関わる運動ニューロン変性の病態をその下流経路を特定することで解明することとした。進行期ALSで変性を免れやすい感覚ニューロンや、PHOX2B発現も高い自律ニューロンの軸索分画RNA-Seqを実施し、PHOX2Bと同様に自律ニューロンと感覚ニューロンでは健常と変異で発現の差が無く、運動ニューロンでは差が認められる16遺伝子を絞り込んだ。さらに、In silicoでChiP-Atlas により、転写因子であるPHOX2Bの結合候補を確認した。
今後は、候補遺伝子群のタンパク質発現や表現型解析などを行っていく予定である。
公表論文