研究助成
2022年度 薬学系研究助成
TLR4シグナルからのアプローチによる骨髄由来免疫抑制細胞の制御メカニズムの理解
研究題目 | TLR4シグナルからのアプローチによる骨髄由来免疫抑制細胞の制御メカニズムの理解 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 薬学系研究助成 |
所属 | 立命館大学 生命科学部 生命医科学科 疾患細胞免疫学研究室 |
氏名 | 立花 雅史 |
キーワード | MDSC / TLR4 / HMGB1 / HDAC / NEDD4 |
研究結果概要 | 骨髄由来免疫抑制細胞 (MDSC: Myeloid-derived suppressor cell) は抗がん免疫細胞を抑制することで、がんの進展を促す。申請者はこれまでに、自然免疫応答を惹起するセンサー分子であるTLR4とそのリガンドの一つであるHMGB1に着目し、MDSC分化誘導系においてHMGB1を添加することでTLR4依存的にMDSCの免疫抑制能が増強されることを明らかにしている。その免疫抑制能増強の候補遺伝子としてヒストンの一つがヒットしていたことから、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤を用いた検討を行った。その結果、HDAC阻害剤によりMDSCの腫瘍への浸潤を担うCCR2がユビキチン化され分解されることを明らかにした。これにより、MDSCの腫瘍浸潤が低下し抗がん免疫細胞が再活性化された結果、がん進展が抑制された。さらに、CCR2をユビキチン化するタンパクとしてユビキチンリガーゼであるNEDD4を同定した(Cancer Immunol Immunother, 2025)。本成果は、MDSCの腫瘍浸潤阻害作用による新規がん治療薬の開発に繋がると期待される。 |
公表論文 |
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