研究助成

2022年度 薬学系研究助成

肝内胆汁うっ滞を伴う小児肝疾患の予後を規定する因子の探索

研究題目 肝内胆汁うっ滞を伴う小児肝疾患の予後を規定する因子の探索
年度/助成プログラム 2022年度 薬学系研究助成
所属 東京大学 大学院薬学系研究科 分子薬物動態学教室
氏名 林 久允
キーワード 小児肝疾患 / 胆汁うっ滞 / 予後予測 / 患者レジストリ
研究結果概要 小児期発症の肝内胆汁うっ滞は、早産、遺伝子異常、感染症、薬剤など多様な要因で発症し、重症型と軽症型に大別される。重症型では肝硬変に進行し、現状の治療は肝移植に限られるが、ドナー不足や身体的・経済的負担が大きく、新たな治療法が強く求められている。本研究では、患児から採取した肝組織をトランスクリプトーム解析し、診療情報と統合することで予後に関連する候補遺伝子を推定した。これらの遺伝子について肝臓特異的な遺伝子改変マウスを作出し、肝病態の進展に関与することを確認した。今後は本研究で得られた知見を基盤に、予後予測や病態進展の抑制に基づく個別化治療の実現を目指し、研究のさらなる展開を図る。
公表論文 Intestinal Atp8b1 dysfunction causes hepatic choline deficiency and steatohepatitis. Nat Commun. 2023 Nov 21;14(1):6763. doi: 10.1038/s41467-023-42424-x.