研究助成
2022年度 ビジョナリーリサーチ継続助成（ホップ）
中枢創薬を加速する全脳細胞研究
| 研究題目 | 中枢創薬を加速する全脳細胞研究 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2022年度 ビジョナリーリサーチ継続助成（ホップ） |
| 所属 | 大阪大学 大学院薬学研究科神経薬理学分野 |
| 氏名 | 橋本 均 |
| キーワード | 精神神経疾患 / 創薬 / 全脳イメージング |
| 研究結果概要 | 中枢創薬においては、非臨床研究において臨床効果や安全性を予測する精度を高めることが重要である。とくに精神疾患等においては、治験や治療に資する客観的な診断補助法（治験の成功確率が高め、有効な治療が可能な患者を層別化のための方法等）の開発が重要である。これらのためには、疾患発症機構の生物学的な理解を深め、それに基づく診断・治療法・治療薬の開発が重要となる。また、脳科学研究の技術や方法を各々単独ではなく、複数を効果的に併用することが、橋渡し研究を加速させるうえで重要と考えられる。本研究ではまず、メゾスコピック領域からミクロ領域にわたるマルチスケール・多波長イメージング解析装置の整備を行った。次にこれを用いて、うつ・発達障害・ストレス性精神疾患などの疾患モデル動物の各病態および治療薬による作用機序の解明に向けた全脳細胞解析を実施した。この過程では、疾患モデルマウスと正常マウスとの比較や、種々の刺激や薬物による行動変化および全脳活動の比較解析等を実施し、特徴となる活動変化を捉え、疾患の成因機序や治療効果の発現メカニズムの解明につながる知見を得た。 |
| 公表論文 |
1.Volumetric trans-scale imaging of massive quantity of heterogeneous cell populations in centimeter-wide tissue and embryo. Elife. 2025 Feb 3;13:RP93633. doi: 10.7554/eLife.93633. 2.Socially activated neurons in the anterior cingulate cortex are essential for social behavior in mice. Biochem Biophys Res Commun. 2024 Sep 24;726:150251. doi: 10.1016/j.bbrc.2024.150251. 3.(R)-ketamine restores anterior insular cortex activity and cognitive deficits in social isolation-reared mice. Mol Psychiatry. 2024 May;29(5):1406-1416. doi: 10.1038/s41380-024-02419-6. 4.Parabrachial-to-parasubthalamic nucleus pathway mediates fear-induced suppression of feeding in male mice. Nat Commun. 2022 Dec 30;13(1):7913. doi: 10.1038/s41467-022-35634-2. 5.Molecular basis of astrocyte diversity and morphology across the CNS in health and disease. Science. 2022 Nov 4;378(6619):eadc9020. doi: 10.1126/science.adc9020. |