研究助成

2022年度 中学校理科教育振興助成

日本の伝統的製鉄法である「たたら製鉄」を学校で実施する簡易法の研究

研究題目 日本の伝統的製鉄法である「たたら製鉄」を学校で実施する簡易法の研究
年度/助成プログラム 2022年度 中学校理科教育振興助成
所属 坂城町立坂城中学校
氏名 関 勇太
キーワード たたら製鉄 / テルミッド反応
研究結果概要 日本では古来よりたたら製鉄という方法で酸化鉄である砂鉄と木炭を交互に入れ,還元反応を起こして純度の高い鉄を取り出し,日本刀等に利用していた。
本研究では,このたたら製鉄を学校の授業で実施できないか,研究をするものである。今回の研究において,たたら製鉄の還元が単純に木炭の炭素と砂鉄の酸化鉄の反応によって鉄が精製されるわけではないことが分かった。炉内に発生する一酸化炭素と砂鉄の反応によって鉄が精製されるものである。この一酸化炭素と酸化鉄の反応には炉内の温度を1200度前後で安定させる必要もあることが分かった。本来のたたら製鉄は3日3晩操業されるものであるが,耐火煉瓦を使って1日で行う方法もある。しかしながら,50分間でたたら製鉄を簡易的に行うためには,炉内の温度を1200度まで上昇させること,一酸化炭素の発生に関わる安全性の確保等から困難であると考えられる。教室内で簡易的な鉄の精製方法として,テルミッド反応による方法が考えられる。炭素の代わりにアルミニウム粉末と酸化鉄で反応をさせると鉄が精製される。
今後も,たたら製鉄に近づいた反応を事業内で実施する方法について研究を続けていきたい。
公表論文