研究助成

2022年度 中学校理科教育振興助成

セミ鳴音分析による環境評価方法の開発とSTEAM教育への活用

研究題目 セミ鳴音分析による環境評価方法の開発とSTEAM教育への活用
年度/助成プログラム 2022年度 中学校理科教育振興助成
所属 新島村立式根島中学校
氏名 中里 直
キーワード セミ鳴音 / 環境評価 / FFT分析 / ウェーブレット解析 / STEAM教育
研究結果概要 セミが主に発鳴する期間(6~10月)に東京都内または近郊で計測場所を選定し、セミの発鳴をICレコーダーで記録し、同時に温度、湿度、光強度をデータロガーに記録した。千葉県千葉市は2016年から2024年、式根島は2018年から2023年まで計測しているので、今後、セミの発鳴時刻や個体数の季節変化を比較し、セミの発鳴と環境の関係の解明を試みる。アブラゼミ鳴音の空間的な配置と個体数を求めるため、①距離による音圧の変化推定、②音源からノイズ除去、③FFTによる特有周波数の特定、④複数鳴音の位相差の違いによる分離の実施が必要と考えた。これらの結果を総合的に検討し、セミの個体数の空間分布の推定方法の開発を試みている。また、夜間鳴音の解析のため、採集したセミと野外のセミの昼間と夜間の1~20kHzの鳴音について、10~20秒間のウェーブレット解析を行い、FFT、振幅の変化と合わせて検討した。中学理科の「音」の学習で、セミ鳴音の特徴や、鳴音と周波数の関係を説明した。今後もセミの鳴音を教材とした授業の開発や、STEAM教育につながる実践を継続する。
公表論文