研究助成
2022年度 ライフサイエンス研究継続助成
核内微小環境形成を介した転写制御機構の解明
| 研究題目 | 核内微小環境形成を介した転写制御機構の解明 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2022年度 ライフサイエンス研究継続助成 |
| 所属 | 東京大学 定量生命科学研究所 生命動態研究センター |
| 氏名 | 深谷 雄志 |
| キーワード | 転写 / エンハンサー / 転写因子 / 非コードRNA / ショウジョウバエ |
| 研究結果概要 | 本研究により、エンハンサー上で転写される非コードRNAが、遺伝子発現を抑制する新たな制御機構であることを発見した。非コードRNAの転写は、エンハンサーへの転写因子の結合を物理的に妨げ、mRNAの転写量を低下させることが示された。さらに、転写因子の核内動態とエンハンサー活性を同時に可視化する超解像ライブイメージング技術を開発し、エンハンサーが転写因子の局所濃度の動的変化を介して遺伝子発現を緻密に制御する様子を明らかにした。加えて、離れた複数の遺伝子が、転写因子の濃縮された場を共有して協調的に発現する全く新しい制御機構の存在も実証した。以上の成果は、転写制御の基本原理と疾患発症機構の理解に貢献するものである。 |
| 公表論文 |
1. Kawasaki K, Fukaya T*. Regulatory landscape of enhancer-mediated transcriptional activation. Trends in Cell Biology doi.org/10.1016/j.tcb.2024.01.008. (2024) 2. Makino S, Fukaya T*. Dynamic modulation of enhancer-promoter and promoter-promoter connectivity in gene regulation. BioEssays. doi.org/10.1002/bies.202400101. (2024) 3. Kawasaki K, Fukaya T*. Functional coordination between transcription factor clustering and gene activity. Molecular Cell 83:1605-1622. e9. (Previewed in Mol Cell) (2023) 4. Hamamoto K, Umemura Y, Makino S, Fukaya T*. Dynamic interplay between non-coding enhancer transcription and gene activity in development. Nature Communications 14:826. (2023) |