研究助成

2023年度 生命科学研究助成

ダウン症 iPS 細胞及びその分化内皮細胞を用いた高次エピゲノム動態制御と抗血管病・抗生活習慣病に至る分子基盤の解明

研究題目 ダウン症 iPS 細胞及びその分化内皮細胞を用いた高次エピゲノム動態制御と抗血管病・抗生活習慣病に至る分子基盤の解明
年度/助成プログラム 2023年度 生命科学研究助成
所属 熊本大学 生命資源研究支援センター 分子血管制御分野
氏名 南 敬
キーワード ダウン症 / トリソミーiPS 細胞 / ヒストンマッピング / 内皮分化 / ポリコーム
研究結果概要 ダウン症若齢及び加齢者より末梢単核球を元にiPS 化を実施した。また、同一トリソミーiPS クローンより、ゲノム編集技術を用いてダイソミー化したコントロールも樹立・収集した。更にiPS細胞より血管内皮細胞様に分化させる技術も確立し、その発現プロファイルやヒストンマッピングを行い共通の有意な変化を見出しデータ収集を進めている。先ず、ダウン症若齢男児のiPSトリソミーではダイソミーコントロ−ルと比較して、余剰染色体領域全般にわたってポリコームが関与するH3K27me3 マークの濃縮が顕著であり、その機能として予測される遺伝子セットとしては、免疫に関わるものが多数を占めた。一方、HOX クラスターでは違いがないため、極めて意義のある発見と考えている。一方分化内皮では抗がん、抗血管病に繋がる遺伝子が誘導されるのに対し、ダウン症神経病態に直結すると考えられるトリソミー染色体上の APP は発現減少し、BACE2 (アミロイド分解促進)は上昇した。また抗血管新生作用を有する DSCR-1 の新規エンハンサーを見出し、本領域において トリソミー内皮では H3K27ac の濃縮率が高いことも見出した。
公表論文 1. Protocol for transcriptomic and epigenomic analyses of tip-like endothelial cells using scRNA-seq and ChIP-seq、STAR Protocols、https://doi.org/10.1016/j.xpro.2024.103326

2. FOXO1 stimulates tip cell-enriched gene expression in endothelial cells、iSceince、 https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.109161