研究助成

2023年度 ライフサイエンス研究助成

植物の根冠ムシレージ粘液層を構築する分子基盤の解明

研究題目 植物の根冠ムシレージ粘液層を構築する分子基盤の解明
年度/助成プログラム 2023年度 ライフサイエンス研究助成
所属 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科バイオサイエンス領域 植物発生シグナル研究室
氏名 宮島 俊介
キーワード 根冠ムシレージ / 粘液層 / 植物環境応答 / 根
研究結果概要 生物の体表面を覆う粘液層は、外界ストレスから組織や器官を守る防壁として機能する。植物の根端でも、根冠細胞が多糖類を主成分とする「根冠ムシレージ」を分泌し、土壌中の有害金属などに応じてその領域が拡張することから、根の土壌適応に関与すると考えられているが、その分子基盤は不明であった。本研究では、まず蛍光ナノシリカ粒子を用いて、シロイヌナズナ根冠ムシレージを生体のまま可視化・定量する実験系を構築し、アルミニウムイオンに応じてムシレージ領域が拡張することを明らかにした。この成果はSaito et al.(2025)として発表した。さらに、根冠分化因子SMB/BRN1/BRN2の下流遺伝子としてROOT CAP PERIPHERY(RCP)遺伝子群を同定した。6つのRCP遺伝子はいずれも根冠細胞、特に最外層で発現し、CRISPR/Cas9変異体解析からRCP6がムシレージ形成に主要な役割を果たすことを示した。また、RCP6は根冠最端部から細胞外へ分泌され、ムシレージ領域に蓄積した。今後、RCP6の生化学的機能解析を進め、粘液層構築機構の解明を目指す。
公表論文 論文タイトル:A fluorescence nanoparticles-based method for visualizing and quantifying root cap mucilage 誌名: Plant Morphology 掲載情報:2025 Vol. 37 pp. 45-50 DOI: https://doi.org/10.5685/plmorphol.37.45