研究助成

2023年度 医学系研究助成(感染領域)

アニサキス感染による好酸球の胃での免疫応答ならびに痛み・アレルギーを誘発する因子の探索

研究題目 アニサキス感染による好酸球の胃での免疫応答ならびに痛み・アレルギーを誘発する因子の探索
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(感染領域)
所属 国立国際医療研究センター 研究所 肝炎・免疫研究センター 免疫制御研究部 
氏名 飛彈野 真也
キーワード IgE / アニサキス / 胃 / Th2
研究結果概要 本研究では、マウス反復アニサキス感染モデルを用いて、アニサキス感染によるIgE産生およびアレルギー応答誘導機構の解明を行った。これまでに、生きたアニサキス幼虫の反復感染によりAnisakis特異的IgEの上昇、I型アレルギー反応の誘導、胃局所におけるIL-33発現増加を見出しており、本研究ではその病態形成機構について解析した。その結果、反復感染によりAnisakis特異的IgEが上昇するとともに、その主要アレルゲンの一つであるAni s 1に対する特異的IgEも上昇した。また、活性型皮膚アナフィラキシー試験により、誘導されたIgEが機能性を有することを示した。さらに、胃局所ではIL-5産生ILC2、好酸球、IL-4産生Th2細胞、B細胞の増加が認められ、Th2型免疫応答の形成が確認された。加えて、IL-33は1回感染時に核外移行を示し、反復感染時には細胞質局在の増加と切断型IL-33が認められ、その活性化が示された。これらの変化は虫体ホモジネート投与では再現されず、生きた幼虫の胃粘膜への反復感染が、IL-33–ILC2/Th2軸を介したアレルギー応答を誘導することが示唆された。
公表論文 Anisakis infection induces IgE responses resulting from ILC2 and Th2 cell activation via IL-33 in the murine stomach. Parasitol Int. 2026 Apr:111:103184. doi: 10.1016/j.parint.2025.103184.