研究助成

2023年度 医学系研究助成(基礎)

運動によるエピゲノム制御機構の解明

研究題目 運動によるエピゲノム制御機構の解明
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(基礎)
所属 愛知医科大学 医学部・生理学講座
氏名 榊原 伊織
キーワード 骨格筋 / 運動 / エピゲノム / Phf2
研究結果概要 本研究では、運動による転写制御の分子機構を解明することを目的とした。運動により誘導されるシグナルを網羅的に解析するために、運動時の骨格筋の核抽出タンパク質におけるリン酸化プロテオミクス解析を行ない、エピゲノム修飾酵素Phf2を同定した。PHF2は,ヒストンH3の9番目のリジン残基のメチル基を外すことで遺伝子発現を制御する機能を持つ. PHF2は多くの臓器で発現しているが, 骨格筋におけるPHF2の機能は解明されていない. そこで、C2C12細胞を用いてPhf2 KO細胞を作製し、細胞における機能を解析し、PLoS One誌に報告した。続いて、Phf2の生理機能を解明するために、骨格筋特異的Phf2欠損マウスを作製した。骨格筋特異的Phf2欠損マウスは筋力の低下を示したことからから、Phf2が骨格筋の生理機能に重要であることが示唆された。さらに, RNA-seq解析により、骨格筋特異的Phf2欠損マウスでは、MAPKシグナルに関わる遺伝子発現が低下することを明らかにした. これらのことから、Phf2が運動時のリン酸化シグナルを制御することで、生理学的に筋力を制御する可能性が示唆された.
公表論文 PHF2 regulates sarcomeric gene transcription in myogenesis. PLoS One. 19, e0301690
Functional role of THRAP3 in modulating thyroid hormone–mediated gene networks in C2C12 myotubes. PLoS One. 21(1), e0341353