研究助成

2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)

歯周病における免疫応答の解明と腸内細菌による予防法・治療法の開発

研究題目 歯周病における免疫応答の解明と腸内細菌による予防法・治療法の開発
年度/助成プログラム 2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)
所属 福岡歯科大学 口腔歯学部 感染生物学分野
氏名 田中 芳彦
キーワード 臓器連関 / 免疫応答 / 歯周病 / 口腔カンジダ症 / 真菌感染症
研究結果概要  腸管がTh17免疫応答の起点であることがさまざまな感染症や疾患で解明されつつある。真菌感染症では、真菌に応答するTh17細胞を介した免疫応答による病原体の排除が必要だが、その生体内における免疫応答機構は十分に解明されていなかった。本スタート研究を発展させて、腸でのTh17細胞の免疫応答が口腔カンジダ症を防ぐ仕組みをマウスで解明し、真菌の「腸-口腔連関」の免疫応答による口腔感染防御の仕組みを明らかにした。COVID-19のパンデミックから立ち直りつつある中、日本ではまだ聴きなれない新たなパンデミックの脅威として致死率の高い抗真菌剤耐性カンジダ・アウリス真菌による感染症が世界中で警戒され始めている。カンジダ・アウリス真菌が血液中に感染すると、Card9蛋白質がないマウスでは好中球に細胞死がおこり真菌を排除できず、腎臓で感染が重症化して生存できなくなることをを解明した。腸内細菌叢と責任Th17細胞の解析から腸-口腔における臓器連関を解析し、歯周病に対する免疫応答の機序を解明し、それに基づくヒト歯周病の新しい予防法・治療法の開発を目指して研究を進めている。
公表論文 Fungal pathogen-responsive Th17 cells in gut-mouth axis enhance protection against oropharyngeal candidiasis. iScience, 28, 112675, 2025.
Adaptor protein CARD9 is required for systemic host defense against Candida auris. iScience, 28; 113864, 2025.
腸-口腔連関による口腔感染症の免疫応答の仕組み. 日本口腔科学会雑誌 74(1): 1-7, 2025.
腸内環境が歯周病の重症化を引き起こす仕組み -歯周病原細菌に応答する免疫細胞が腸から歯肉へ-. 日本顎顔面インプラント学会誌 24(4): 125-129, 2025.