研究助成

2023年度 ビジョナリーリサーチ継続助成(ホップ)

運動効果模倣薬開発を目指した不動化固有の病理機構の解析

研究題目 運動効果模倣薬開発を目指した不動化固有の病理機構の解析
年度/助成プログラム 2023年度 ビジョナリーリサーチ継続助成(ホップ)
所属 神戸大学 大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科
氏名 小川 渉
キーワード 不動化 / 筋萎縮 / 交感神経 / 腸管炎症
研究結果概要 不動化による筋萎縮の分子機構を解析し、下部消化管特異的な交感神経活性化と腸管炎症が筋萎縮に重要な役割を果たすことを明らかにした。 マクロファージ特異的Adrb2欠損マウスでは、不動化による腸管炎症および筋萎縮が抑制され、化学的交感神経切除によっても同様の効果を認めた。また、リノール酸由来腸内細菌代謝物HYAは不動化による腸管炎症を抑制し、骨格筋炎症および筋萎縮を改善した。不動化では腸管バリア機能低下と血中LPS上昇が生じ、骨格筋では炎症関連分子CXCL10が誘導された。一方、正常マウス由来腸内細菌叢の移植や結腸マクロファージの除去により、腸管炎症、骨格筋炎症および筋萎縮は改善した。さらに、高脂肪食肥満モデルにおいても同様に腸管バリア機能低下、CXCL10発現誘導および筋萎縮が認められ、CXCL10中和抗体により改善した。以上より、不動化や肥満に伴う交感神経活性化が腸管マクロファージを介して腸内環境および腸管バリア機能を変化させ、LPS–CXCL10経路を介して骨格筋炎症と筋萎縮を惹起する「神経-腸管-筋連関」の存在を明らかにした。
公表論文