研究助成

2023年度 ビジョナリーリサーチ継続助成(ホップ)

造血・免疫系によるライフコースのストレス記憶と多病発症機序の解明

研究題目 造血・免疫系によるライフコースのストレス記憶と多病発症機序の解明
年度/助成プログラム 2023年度 ビジョナリーリサーチ継続助成(ホップ)
所属 千葉大学 大学院医学研究院 疾患システム医学
氏名 眞鍋 一郎
キーワード 心不全 / 造血幹細胞 / 自然免疫記憶 / マクロファージ
研究結果概要 本研究では、造血幹細胞と組織マクロファージが多様なストレスを受容し、エピゲノムに記憶することによって、多病の病態基盤となるという仮説の検証を進めるとともに、その分子機序を検討した。その結果、心不全マウスの造血幹細胞を健常マウスに移植すると、レシピエントマウスで6か月後に自然に心機能障害が誘導されることを見いだした。このメカニズムの解明を進め、心不全により、造血幹細胞のエピゲノムならびにポピュレーションの変化が誘導されること、この変調した造血幹細胞由来の単球は心臓に移行した後に、心保護作用を有する成熟組織マクロファージへの分化が障害され、むしろ炎症と組織リモデリングを進めるマクロファージになり、組織リモデリングを進めることを見いだした。さらに、心不全から骨髄へのシグナルとして、交感神経障害によるTGF-シグナルの抑制が重要であることを見いだした。この結果は造血幹細胞は心臓ストレスを受容し、多病をもたらすハブとなることを示唆する。
公表論文 Heart failure promotes multimorbidity through innate immune memory. Sci Immunol 9:eade3814, 2024.