研究助成

2023年度 ハイリスク新興感染症研究助成

ニパウイルスの増殖機構の理解と予防制御のための基盤的研究

研究題目 ニパウイルスの増殖機構の理解と予防制御のための基盤的研究
年度/助成プログラム 2023年度 ハイリスク新興感染症研究助成
所属 東京大学 大学院医学系研究科、病因・病理学専攻、微生物学
氏名 加藤 大志
キーワード ニパウイルス / 封入体 / ウイルス-宿主相互作用ネットワーク
研究結果概要 ニパウイルス(NiV)は細胞に感染すると2種類の封入体(Inclusion body: IB)と呼ばれる構造体を形成する。この2つの封入体はウイルスRNA合成の場であるCytoplasmic IB、ウイルス粒子形成の場であるIB-PMとそれぞれ呼ばれ、液-液相分離によって形成されると考えられる。免疫沈降法および間接蛍光抗体法の結果、Cytoplasmic IBの形成にはウイルスのNおよびPタンパク質が、IB-PM形成にはこの2つのウイルスタンパク質に加えMタンパク質が必要であることが明らかになった。さらにFRAP解析の結果、Cytoplasmic IBが流動性の高い液体の性質を有するのに対し、IB-PMは流動性の低いゲル状の性質であることも明らかになった。また近接依存性標識法を用いて、Cytoplasmic IBに動員される宿主因子を探索し、ウイルス-宿主相互作用ネットワークを明らかにした。これらの成果はNiVの増殖機構を理解するための基盤的知見になると考えられる。
公表論文 1. Coordinated interactions among Nipah virus N, P and M proteins drive formation of distinct inclusion bodies. Journal of General Virology. 2025, 106(12), 002206, doi: 10.1099/jgv.0.002206.