研究助成
2024年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
KRAS肺がんにおける治療標的分子の同定と免疫療法耐性機構の克服
| 研究題目 | KRAS肺がんにおける治療標的分子の同定と免疫療法耐性機構の克服 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2024年度 医学系研究助成(がん領域(基礎)) |
| 所属 | 旭川医科大学病院 内科学講座 呼吸器・脳神経内科学分野 |
| 氏名 | 吉田 遼平 |
| キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / KRAS変異 / 共変異 / DPP4 / 腫瘍免疫微小環境 |
| 研究結果概要 | KRAS変異型肺がん(KRAS肺がん)の中でもLKB1欠損を伴うサブタイプ(KRAS-LKB1肺がん)は、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に対して高度の抵抗性を示すことが知られているが、その免疫抵抗性を規定する分子機構は十分に解明されていなかった。本研究では、KRAS-LKB1肺がんにおいてDPP4の発現および酵素活性が一貫して低下していることに着目し、DPP4が腫瘍免疫微小環境およびICI治療効果に与える影響について検証した。 患者由来肺がん検体、KRAS肺がん細胞株、ならびに免疫正常マウスを用いた解析の結果、LKB1欠損はAMPK経路を介してDPP4発現低下を引き起こし、免疫抑制的な腫瘍免疫微小環境の形成に関与していることが示唆された。さらに、DPP4発現を回復させることで、NK細胞およびT細胞の腫瘍内浸潤が促進され、抗PD-1抗体治療との併用により顕著な抗腫瘍効果が得られることを明らかにした。本研究は、KRAS-LKB1肺がんにおける免疫抵抗性の新たな分子基盤としてDPP4の役割を示すとともに、ICI抵抗性克服に向けた新規治療戦略の可能性を提示するものである。 |
| 公表論文 | Dipeptidyl Peptidase 4 Restoration Facilitates Antitumor Immunity in KRAS-LKB1-Mutant Lung Cancer. Cancer Research Communications. 2025 Dec 1;5(12):2175-2185. |
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