研究助成

2024年度 医学系研究継続助成(感染領域)

HIV-1の新規レトロトランスポゾン様複製機構の解明

研究題目 HIV-1の新規レトロトランスポゾン様複製機構の解明
年度/助成プログラム 2024年度 医学系研究継続助成(感染領域)
所属 熊本大学 大学院生命科学研究部 微生物学講座
氏名 門出 和精
キーワード HIV-1 / レトロトランスポゾン / VCC
研究結果概要 本研究から、HIV-1レトロトランスポジションは、HIV-1感染宿主細胞でも起こる可能性があることが示唆された。さらに、レトロトランスポゾン活性は内在性レトロウイルスHERV-K独自の複製機構ではなく、レトロウイルス全般が持つ可能性が示唆された。さらに、HIV-1のレトロトランスポジションに逆転写酵素、プロテアーゼ、インテグラーゼだけでなく、粒子形成のための構造タンパク質Gagが必須であることがわかった。また、透過型電子顕微鏡により、細胞内小胞(VCC)に蓄積しているHIV-1成熟粒子を発見した。以上の結果から、VCCへの成熟HIV-1粒子の蓄積がレトロトランスポジション機構である可能性が示唆された。興味深いことに、レトロトランスポジションにはHIV-1 Envタンパク質や受容体CD4が必要ないことがわかった。このことから、感染細胞がCPEによって死滅しない場合、HIV-1は受容体非依存的にレトロトランスポジションによってゲノムを増やす可能性が示唆された。
公表論文