五代武田長兵衞氏(武田和敬翁)は、1923年9月、関東大震災により東京で貴重な典籍が灰燼に帰したことを大いに痛嘆し、日本・中国の本草医書の散逸を防ぐことが、将来、社会・学界のために極めて有意義であると考え、早川佐七氏蔵書、藤浪剛一氏蔵書などを、機会に応じ私財をもって購入し、後に「杏雨書屋」と呼ばれる文庫を形成しました。ちなみに杏雨とは杏林(医学)を潤す雨の意です。
この杏雨書屋は六代武田長兵衞氏に引き継がれ、歳月とともにその内容も増大しましたが、1977年当財団へ寄付を受けたので、1978年4月28日「杏雨書屋」の名称を継承し、本草医書を中心とする図書資料館として開館するに至りました。
本館では資料の永久保存を図るとともに、研究者の利用に供し、春秋年2回の特別展示会及び常設展の開催、研究講演会の開催、所蔵図書関係の出版等の事業活動を行っています。



杏雨書屋


お知らせ
一覧展示会・講演会
「杏雨書屋の宗教文献Ⅱ―多言語・多宗教の世界」をテーマに、第80回特別展示会を以下のとおり開催いたします。
ご多用中とは存じますがご来場くださいますようご案内申し上げます。
開催終了
第80回特別展示会「杏雨書屋の宗教文献Ⅱ―多言語・多宗教の世界」
- 期間:
- 2025年4月7日(月)~4月28日(月)【土日祝は休館】
- 時間:
- 10:00~16:00
- 場所:
- 大阪市中央区道修町2-3-6 武田科学振興財団 1階 杏雨書屋 特別展示室
会期終了後に見学を希望される方は、杏雨書屋事務局に見学の可否をお問い合わせください。
連絡先:06-6233-6108 kyou@takeda-sci.or.jp
次回、第81回特別展示会は2025年10月に開催予定です。
開催終了
第51回 研究講演会
- 日時:
- 2025年4月12日(土)13:00~15:30
- 場所:
- 大阪市中央区道修町2-3-6 武田科学振興財団 5階ホール
- 演題・講師:
- 「古代チベット帝国と敦煌の漢人たち―杏雨書屋所蔵羽77Rと羽689を中心に―」
龍谷大学文学部 准教授 岩尾 一史 先生
「モンゴル時代の敦煌とシルクロード─杏雨書屋所蔵羽776-13とその周辺─」
大阪大学大学院人文学研究科 教授 松井 太 先生
「特別展示会の見どころ」
三谷 真澄 杏雨書屋運営協議員

動画配信コーナー

第51回研究講演会の動画を配信します。配信期間は2025年7月18日(金)までです。
- ・講演1「古代チベット帝国と敦煌の漢人たち―杏雨書屋所蔵羽77Rと羽689を中心に―」については「岩尾先生手元資料(PDF)」もご参照ください。
- ・講演2「モンゴル時代の敦煌とシルクロード─杏雨書屋所蔵羽776-13とその周辺─」については「松井先生手元資料(PDF)」もご参照ください。